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東京高等裁判所 平成9年(行コ)67号 判決 1997年11月13日

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

第一  申立て

一  控訴人ら

1  原判決を取り消す。

2  本件を浦和地方裁判所に差し戻す。

二  被控訴人

控訴棄却

第二  当事者の主張

当事者双方の主張は、原判決事実摘示のとおりである(ただし、原判決五頁二行目の「増改築」を「増改築されて」に、同七頁九行目の「第」を「法」に改め、同八頁五行目の「しかし、」の次に「本件監査請求は、右の監査請求とは別個の監査請求であり、そうでないとしても、本件監査請求と右の監査請求とは一個の連続した監査請求であり、いずれにしても」を加える。)から、これを引用する。

理由

一  当裁判所も、控訴人らの被控訴人に対する本件訴えは、不適法なものであって、却下すべきものと判断する。その理由は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決の理由の記載と同一であるから、これを引用する。

1  原判決一三頁五行目の「本件監査請求」を「本件監査請求は」に、同七行目の「引いて」を「ひいては」に改め、同一五頁一〇行目の「本件」の次に「公金」を加え、同一六頁三行目の「請求する」を「請求したものである」に改め、同七行目の「いずれも」の次に「同一の」を、同行目の「する」の次に「ものであって、前監査請求は」を加え、同一七頁三行目の「あり、」から同六行目の「然るところ」までを「ある。また、同一の財務会計上の行為について二回にわたって監査請求がされた場合には、その出訴期間は、前の監査請求を基準として起算すべきである。そして、」に改める。

2  原判決一八頁一〇行目の次に改行して、次のとおり加える。

「控訴人らは、本件監査請求は、前監査請求とは別個の監査請求であり、そうでないとしても、本件監査請求と前監査請求とは一個の連続した監査請求であると主張するが、右各監査請求が本件学校建設のための公金支出という同一の財務会計上の行為を対象とするものであることは、右に判示したとおりであるから、これらが別個の監査請求であるとはいえず、また、本件監査請求は、控訴人らに対する前監査請求を却下する旨の通知がされた後にされたものであることは前示一のとおりであるから、本件監査請求と前監査請求とが一個の連続した監査請求であるといえないことも明らかである。したがって、右主張は到底採用することができない。

そうすると、本件訴えは、同一の財務会計上の行為に対する重ねての監査請求に基づくもので、しかも、監査請求期間を徒過したものであるので、いずれにしても不適法である。」

二  以上の次第であって、控訴人らの本件訴えを却下した原判決は相当であって、控訴人らの本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

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